SPECIAL FEATURE 02 ジェフ・ジレット&ロームカウチ
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【Profile】
ジェフ・ジレット
1959年、アメリカ・ミシガン州デトロイト生まれ。南カリフォルニアを拠点とする現代アーティスト。
世界を旅する中でスラム街の苦しく、残酷な現状を目の当たりにする。しかしゴミの山のような瓦礫の上に工夫を凝らして建てられた住居や生活環境そのものに奇妙な美しさを見出すことになる。
色、形、質感など強く印象に残るその壮大な光景は彼にとっての美的な驚きとなり、ジレットはそれらのイメージを作品の中に再現している。
幼少期はディズニーに憧れを抱いていたものの、大人になって初めてディズニーランドを訪れた際、人工的な楽園の姿に幻滅したというジレットは、グローバルサウスの荒れ果てた地にディズニーのアトラクションやキャラクターを描いたシリーズ「Dismayland」を制作。
これは2015年にバンクシーがプロデュースしたプロジェクト「Dismaland」のイベントのインスピレーションになった。 -
【Profile】
ロームカウチ
1976年 岐阜県安八町生まれ。 幼少期に見た漫画の影響により絵を描き始め、高校卒業後にはデザイナーとして経験を積む。しかしその後に患った大病の経験が人生を再考するきっかけとなり、アーティストを志すことになる。
2011年には「ロームカウチ」としてアーティスト活動を開始。五十版を超える手切りのステンシルから構成される、美しく独創的な作品を国内外で発表、ステンシルアートの既成概念を覆す活動は大きな反響を呼ぶ。
2014年にニューヨークで開催された初個展では作品が完売となる。また同年には彼の故郷である岐阜県安八町を中心に無償で壁画を描くプロジェクト、「Emotional Bridge Project」 をスタート。国内だけでなく、海外からのアートファンも呼び込み、まちの活性化に大きく貢献している。
近年は現代における真の浮世絵を明示すべく、「Neo Ukiyo-e」と題する、美濃和紙を使用した作品の制作にも精力的に取り組んでいる。
2021年にはバンクシーのディズマランド計画に大きな影響を与えたジェフ・ジレットとのコラボレーション企画が話題となる。